宮崎の田の神像


高原町鷹巣原の田の神

 手に飯げ(めしげ)〔しゃもじ〕や椀、スリコギを持ち、甑簀(こしきす)〔シキ、餅米などを蒸すときに間に引く藁製の編み物〕を頭にかぶった、「田の神(カンorカア)様(サァorサマ)」、「田の神殿(ドン)」と呼ばれる田の神像は鹿児島を代表する石造物として、石仏関係の本や石仏写真集などにとりあげられている。
 
 その田の神像は宮崎県の南部にも見られる。えびの市・小林市・都城市・諸県郡など県南部は旧薩摩藩領であり、鹿児島県と同じように、田畑のあぜ道や村のはずれによく見られる。また、まわり田の神として屋敷内で保管している例も多い。

 田の神石像の魅力は、儀軌に則りつくられた、地蔵や観音などの石仏と違って、自由に勝手気ままに彫られていることである。

 よく知られた農民型だけでなく、神官型、仏僧型、大黒天型など様々あり、農民型の持ち物にしてもメシゲ、鍬、スリコギ、椀、握り飯など様々であり、俵を背負ったものもある。

 自由な表現といっても、地域的な特色は見られる。宮崎県の田の神は、鹿児島のようなメシゲを持つ農民型も見られるが、神官が正装して神前に座る姿で表した神官型や、僧衣を着た仏僧型が多いのが特色である。神官型は宮崎から始まったと言われている。

 田の神は、現在も、豊作をもたらす作神として、農民の生活と結びついた神として、信仰されている。私は1月に数回、宮崎県の田の神を訪れたが、ほとんどか鮮やかに彩色され、花やお酒が供えられていた。


       高原町梅ヶ枝の田の神

 

田の神像の分類方法はさまざまあるが、このページは青山幹雄氏の分類に従った。

 


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参照

鹿児島の田の神さあ

宮崎の磨崖仏

 

参照文献
青山幹雄・相場惣太郎 「宮崎の田の神像」   鉱脈叢書      鉱脈社
都城市史編さん委員会 「都城市史別編 民俗・文化財   都城市
高原町教育委員会  「新版高原町の文化財」   高原町教育委員会
野尻町教育委員会  「野尻町の文化財」       野尻町教育委員会 
えびの市教育委員会  「田の神さぁ」          えびの市教育委員会