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門前石仏・満月寺など
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臼杵石仏(13) 門前石仏
大分県臼杵市大字前田 「平安後期〜鎌倉時代」
 臼杵にはもう一つ平安後期〜鎌倉時代の磨崖仏がある。臼杵磨崖仏の北、臼杵川沿いの小高い丘の麓にある門前(もんぜ)石仏がそれである。臼杵石仏の一部として国の特別史跡に指定されている。2mほどの如来形座像を中心に、下記のような像が残っている。不動明王以外は破損が甚だしい。

 定印如来形座像の左右に菩薩形座像と思われる像があり、三尊形式になっていたと思われる。面相も体躯もいたみが激しいが、堂々たる像で、臼杵の石仏群と通じるところがある。藤原時代の制作と考えられる。

 不動明王は像高150pの厚肉彫りの立像で、石仏には珍しい八頭身のすらっとした姿体である。鼻が欠けているが、保存状態はよく、木彫仏の様な写実的な磨崖仏である。鎌倉時代の作と考えられる。二童子が不動の左手に並んで配されているのが珍しい。現在、深田石仏群(臼杵石仏)と同じく立派な覆堂が作られている。












































               
 
如来形座像・菩薩形座像・不動明王立像・矜羯羅童子・制多迦童子
 
菩薩形座像・如来形座像・菩薩形座像
 
菩薩形座像・如来形座像
 
不動明王立像・矜羯羅童子
 
不動明王立像



    
臼杵石仏(14) 満月寺の石仏
大分県臼杵市深田木原 「鎌倉後期〜室町時代」
 ホキ石仏や古園石仏のある丘陵の臼杵川を挟んだ向かいの小さな丘の麓の近くに満月寺がある。現在の満月寺は近年建てられたものであるが、その寺の建物の前に、金剛力士像が残っている。金剛力士像の東には満月寺の開基と伝える、蓮城法師と、その保護者と伝えられる真名長者(炭焼き長者)夫婦の石像が小さな龕に安置されている。
 
金剛力士像
阿形
吽形
 臼杵磨崖仏古園石仏・ホキ石仏の北東、シバザクラやコスモスが植えられた臼杵石仏公園をはさんである満月寺にある金剛力士像である。現在の満月寺は近年建てられたものであるが、その寺の建物の前に、仁王像が残っている。石像の仁王像は国東半島でよく見かけられるが、この像も国東半島の金剛力士像と同じように室町以降の作と思われたが、発掘調査で鎌倉時代の建物の跡が見つかっていて、その時の建立とすると鎌倉時代の可能性もある。

 風化が激しく、顔の表情ははっきりしないが、ウルトラマンに似た愛嬌あふれる仁王で観光客に人気がある。鼻を削って飲むと疫病に効くという云われがあり鼻は削られて無くなっている。
 
蓮城法師像



臼杵石仏(15)   臼杵石仏入口の不動明王磨崖仏
 臼杵石仏の入り口近くにある不動磨崖仏である。臼杵焼の窯元の横に「不動明王入口」の標識があり、そこから少し上ると山裾にこの不動磨崖仏がある。岩肌に半円形に突き出た台座と深いおにぎり形の彫りくぼみをつくり、その中に右手で剣を立てて持ち、左手を胸まで上げて羂索を持った不動明王座像を半肉彫りしたものである。螺髪風の髪に左肩に辮髪を垂らし、眉を上げて牙を上下に出して睨み付ける姿は力強い。近代彫刻の影響を受けた写実的な表現の磨崖仏である。 



ホキ石仏 堂が迫石仏 山王山石仏 古園石仏