北九州の磨崖仏と古墳 |
|
|||
佐賀県の鵜殿窟磨崖仏や熊本県の円台寺磨崖仏・石貫穴観音磨崖仏など、北部九州にも造形的に興味ある磨崖仏がいくつかある。特に、鵜殿窟磨崖仏は異色の造形美を誇る一見の価値ある磨崖仏といえる。このページは鵜殿窟磨崖仏を中心に北部九州の磨崖仏を取り上げた。
臼杵磨崖仏や熊野磨崖仏に代表される九州の磨崖仏に、対抗できる量感・力感を持つ磨崖仏は他の地方にほとんど見られない。(例外として富山県の日石寺の不動磨崖仏・福島県の大悲山薬師堂磨崖仏があげられるが。)また磨崖仏の数や規模においても他の地方を圧倒している。 その理由としては、近畿地方など岩壁が花崗岩などの硬質のものであるのに対して、九州は軟らかく加工しやすい凝灰岩質の岩壁がふんだんにあることがあげられる。しかし、それだけではなく弥生時代の支石墓や古墳時代の石人・石馬・装飾古墳や近世の石造のアーチ橋など「石を中心とした文化」が九州に根づいていることがあげられる。 日本の文化は奈良・京都を中心として花開き、発展していった。仏教美術でも例外ではない。地方の文化は中央の文化が波及したものと解釈できる。日本の美術の中心となる木や紙や金属や土を素材とした文化は確かにそのとおりである。しかし、石を素材とした文化だけに限ると「磨崖仏」に代表されるように九州が中心と言わざる得ないのではないだろうか。 北部九州の磨崖仏のペーシ゜を作るのにあたって、「古墳の世界」として熊本や福岡の北部九州に多くある装飾古墳や石人についても取り上げることにした。どうぞ、ご鑑賞ください。 |
参照文献 |
|