京都の石仏 Index |
京都の石仏(参考) 比叡山香炉ヶ岡弥勒石仏 | ||
滋賀県大津市坂本本町比叡山西塔 「平安後期」 | ||
京都を代表する石仏「石像寺阿弥陀三尊石仏」や「北白川阿弥陀石仏」の様式の源流といえる石仏がこの香炉ヶ岡弥勒石仏である。そのため、滋賀県にあるが、あえて京都の石仏として、最初にとりあげた。 石仏は西塔釈迦堂の背後の山、香炉ヶ岡の笹原の杉木立の中にある。像高2m余りの花崗岩製。下部に別石の反花座もうけ、その上に蓮座・仏身・光背からなる本体を一石でつくられている。右手を伏せて膝の上に、左手を仰げて膝上においた珍しい印相で、弥勒如来・または釈迦如来と思われる。 丸彫りに近い厚肉彫りで、膝におろした右手と胴のあいだや首と光背とのあいだが彫り抜きになっている。満月相の顔、高い肉髻、ひきしまった体部と流麗な衣紋など藤原時代の特徴をみせる。光背は二重円光式で、左肩の一部欠けていて、6個の月輪内に梵字が陽刻されている。光背の背面には、3つの月輪が彫られ、釈迦三尊の梵字が大きく陽刻され、下には経巻を納めるための四角の彫り込みがある。 もとこの付近にあった弥勒堂跡にちなんで弥勒石仏といわれている。釈迦石仏の説もある。 |
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参照文献
『京都の石造美術』 | 川勝政太郎 | 木耳社 |
『京都の石仏』 | 佐野精一 | サンプライト出版 |
『京都の石仏』 | 清水俊明 | 創元社 |
『京の石造美術めぐり』 | 竹村俊則・加登藤信 | 京都新聞社 |