は非常に珍しいものである。十二天像は像高1mにも満たない小像であるが、儀軌にのっとって丁寧につくられた秀作である。獅子と象に乗った稚児文殊と稚児普賢は凛々しい端正な顔で頂上付近の石仏では最も目立つ。 竹成大日堂五百羅漢と同じ江戸時代末期の五百羅漢としては因島の白滝山五百羅漢が知られている。白滝山五百羅漢も竹成大日堂五百羅漢と同じく羅漢だけでなくバラエティーに富んだ石仏・石神が多くあり、その点では共通している。しかし、白滝山五百羅漢は神道・仏教・キリスト教を集合した「一観教」と言う新興宗教を背景にした自由奔放な個性的な表現に特徴があるのに対して、竹成大日堂五百羅漢はすべて儀軌にのっとってつくられたもので、おそらく『仏像図彙』などを参考にして彫られたと思われる。 儀軌にのっとってつくられたものであるが、竹成大日堂五百羅漢は十二天像や稚児文殊・稚児普賢・玄奘三蔵など絵画ではよく見られるが石仏としては珍しい石仏が多くあり、白滝山五百羅漢とともにユニークな石仏群として一見の価値はある。 |