笏谷石の造形2
引接寺の石仏と瀧谷寺石室
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引接寺の石仏 越前市京町三丁目 |
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武生駅の西約800mにある引接寺(いんじょうじ)は天台宗真盛派の寺院で真盛上人の開山と伝えられている。2世住職は朝倉貞景の弟真慶で、その関係で朝倉氏の庇護を受けてさかえた。 現在も2万u近い寺域を誇る大寺院で江戸末期に再建された本堂を始め庫裏・山門・大仏堂などを備える。境内には笏谷石に彫られた30数体の石仏がある。朝倉氏の遺物とみられており、一乗谷と同じように、地蔵・阿弥陀・観音・不動などの石仏が多い。 特に、山門の近くにある地蔵と不動の石仏は3m近くの巨像で、迫力がある。痛みが激しいのが惜しい。不動像光背に弘治2年(1556年)の年記がある。この両石仏は夜半寺内を巡回したという伝説が残る。 |
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瀧谷寺の石室 坂井市三国町滝谷1-7-15 |
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笏谷石製品は、三国湊から全国各地に送られた。その三国にある瀧谷寺(たきだんじ)は、1375年叡憲(えいけん)上人によって創建された越前屈指の名刹で、境内には重要文化財に指定された鎮守堂や国の名勝の山水庭園がある。国宝の金銅毛彫宝相華文磬や絹本着色地蔵菩薩(重文)や朝倉孝景が寄進した天之図(重文)などがある。 その瀧谷寺の境内には十三仏を内部の側壁に刻んだ石室(石龕開山堂)がある。江戸時代、高野山奥の院の越前松平家石廟や富山県高岡市瑞龍寺石廟など、側壁に半肉彫り像を刻んだ石廟や石室が各地につくられた。瀧谷寺石室もその一つである。軟質な笏谷石であればこそできた石造品である。 | |||
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