白滝山・黒滝山の磨崖仏

十六善神磨崖仏

  竹原市の東南部、JR忠海駅の北にそびえる奇岩屹立する標高266mの黒滝山は、頂上からの眺望はすばらしく、眼下には大久野島、芸予諸島などの島々や、遠く四国連山を一望できる。

 その黒滝山の北、谷を隔てて標高350mの三原市の白滝山がある。山頂は巨大な花崗岩(八畳岩)となっており、その上にたつと南に黒滝山と瀬戸内海の島々、遠くに石鎚山脈、四国山地、北は吉備高原、中国山地と360度の絶景が広がる。

 この黒滝山と白滝山には特色ある磨崖仏がある。黒滝山には登山道に沿って西国三十三所観音の磨崖仏が、白滝山の八畳岩には十六善神と釈迦三尊の磨崖仏がある。


白滝山(竜泉寺)の磨崖仏 広島県三原市小泉町

ryu.JPG (11500 バイト)   白滝山は因島以外に三原市小泉町にもある。 三原市の白滝山へ行くに は、三原駅前より、「小泉小学校前」 行きのバスに乗り、終点で下車し、そこから登山道を約4km歩く。

  その白滝山の山頂付近に「竜泉寺」がある。この寺の本堂裏の白滝山山 頂は「八畳岩」 と呼ばれる巨大な花崗岩の露頭で、その「八畳岩」の岩壁に、釈迦三尊と、十六善神の磨崖仏がある。

「八畳岩」 上に登ることができ、大三島や生口島などの島々、周辺の山々が見渡せ、素晴らしい眺めである。 谷を隔てて南に見える山が、下記の黒滝山にな

  
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釈迦三尊
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   八畳岩の正面から向かって左上が釈迦三尊像で、右が十六善神像などで、ともに半肉彫りされている。十六善神像は玄奘三蔵と深沙大将を取り囲むように彫られている。  十六善神の石像は非常に珍しく、 他にあまり例を見ない。

    また玄奘三尊像も同様である。 深沙大将は大分の高瀬磨崖仏が有名で、よく知られている。 深沙大将は玄奘三蔵が天竺に赴いた時、流沙を渡るのにこの神によって守護されたと伝えられる。 「西遊記」における沙悟浄がそれにあたる。

   造立年代は不明であるが、釈迦三尊像は近世の作品だと思われる。 十六善神像と玄奘三蔵・深沙大将などは室町時代と伝えられている。


黒滝山の磨崖仏        広島県竹原市忠海町黒滝山

  JR呉線の忠海駅を下車し、北西に10分ほど歩くと地蔵禅院という寺がある。その寺の横手が黒滝山の登山口である。  約30分ほどで山頂に達する。   この登山道に沿って西国三十三観音磨崖仏が岩肌に彫られている。

   天保4(1833)年に完成した江戸時代の磨崖仏で、 三重県の石山観音磨崖仏とともに西日本の代表的な西国三十三観音磨崖仏である。造形的な品格はあまりないが、信仰的な迫力を感ずる磨崖仏が多い。

  黒滝山参道の中腹には、 昭和5年の作の十三仏がある。 自然石にふっくらとした願容のかわいらしい十三の仏が彫られている。



1_b2.gif (1021 バイト)瀬戸内の石仏地図



白滝山の石仏 尾道の石仏1 尾道の石仏2(竜王山)