瀬戸内の石仏

　広島県の尾道・三原周辺の鎌倉時代の石仏として三原市佐々木島の割石地蔵磨崖仏や鞆の浦の安国寺地蔵石仏などが知られている。これらの像は尾道浄土寺の宝篋印塔・納経塔（ともに重文）などともに美術品として高い評価を受けている。しかし、私が尾道・三原周辺の石仏で魅力を感じるのは、因島の白滝山の石仏などの近世の石仏である。

　近畿地方などの近世の石仏は地蔵や観音などは形式化した個性のないもが多く魅力に乏しいが、この地方の近世の石仏は、信州の修那羅の石神仏と同じく、仏教儀軌を無視した自由奔放な表現で、庶民の作物の豊穣や安楽を願う強い祈りが感じられ、魅力的である。
　
　このページは、「因島白滝山」・「忠海町黒滝山」・「三原白滝山」・「尾道竜王山」など尾道石工を中心につくられた自由奔放な個性的な石仏群の紹介である。どうぞお楽しみください。


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