吉備の石仏


下の写真をクリックしてください。各石仏群への入口です。

 岡山県は古く大和や北九州とともに吉備の国として文化発祥の地として栄えた地である。そのような地であるが、古い石仏はあまりなく、よく知られている石仏としては「石堂薬師三尊仏」(阿哲郡神郷町高瀬)・「熊野道地蔵石仏」(倉敷市福江)・「阿部恵堂地蔵石仏」(高梁市河合町阿部)などがあるのみである。これらの石仏はすべて鎌倉期の作であるが「石堂薬師三尊仏」を除いて、京都や大和の石仏の影響を受けた石仏であまり地方的特色を感じられない。 
 しかし、中世末期から近世にかけての石仏に地方的特色が色濃い興味深い石仏群がある。それが戦国時代後期の「文英様石仏」と岡山県の南部の丘陵地帯の大岩に彫られた戦国末期から江戸時代にかけての「毘沙門天磨崖仏」である。この「吉備の石仏」は文英様石仏や毘沙門天磨崖仏を中心に岡山県の石仏をまとめたものである。 


参照文献

『岡山の石仏』(岡山文庫 ) 巌津政右衛門  昭和53年  日本文教出版