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山伏峠石棺仏     加西市玉野町山伏峠

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アクセス
・中国自動車道加西ICより、南1kmバス停「玉野西口」より、徒歩300m。

・JR加古川線、神戸電鉄粟生線「粟生」駅で、北条鉄道乗り換え、終点「北条町」下車。「北条町駅」よりバス、「玉野西口」下車、徒歩300m。
地蔵半跏・六地蔵石棺仏  「応暦元年(1338)」
 
 バス停「玉野西口」より赤松林の中を行くゆるやかな山道がある。600m程歩けば抜けてしまう山道であるが、その道の真ん中が山伏峠である。その峠に3基の石棺仏がひっそりとたたずむ風景は印象的である。
 
 左奥にある石棺仏は、高さ177cm、幅90cmの大型で、石棺の蓋石に7体の地蔵を薄肉彫りする。左足を垂らした半跏の像高55cmの地蔵を中央に、左右に小型の地蔵6体を配する。応暦元年(1338)の刻銘がある。

 播磨の石棺仏では唯一、長持ち式石棺を使った石棺仏で、縄掛け突起がそのまま残していて、それがこの石棺仏の魅力になっている。

 真ん中の石仏は、高さ1mほどの石材を舟形につくり、二重光背を彫りくぼめて、中央に阿弥陀仏、左右に地蔵・僧形蔵を薄肉彫りしている。この石材も石棺材と思われる。

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阿弥陀座像石棺仏  「建武4年(1337)」

 
道に近い右端の石棺仏は、縄掛け突起付きの家型石棺蓋石の内側に線刻の舟形光背を負った阿弥陀座像を薄肉彫りする。蓮座の下に「建武四年 四月十日」などの銘文がある。
 地上高213pで、播磨石棺の石棺仏で一番の大きさで、写真ではなかなか表せないが、迫力がある。



春岡寺阿弥陀石棺仏 加西市池上町
「鎌倉後期」
アクセス
・中国自動車道加西ICより、北東3.5km、加西市西野々町の日吉小学校前から南へ1.5km。
・JR加古川線、神戸電鉄粟生線「粟生」駅で、北条鉄道乗り換え、終点「北条町」下車。「北条町駅」より神姫バス西脇線でバス停「西野々」下車。南へ徒歩1.5km。
 池上町の南、静かな森に囲まれた池を前にして春岡寺が建っている。その寺の境内にこの石棺仏がある。高さ、185cm、幅98cmの大きな家型石棺の蓋石に蓮華座に座す阿弥陀如来座像(像高60cm)を薄肉彫りする。
 胴体部分は肩幅が狭く、裾が広がった三角形の形になっている。その形が、四角の石棺とうまくマッチして、加西市の阿弥陀座像の石棺仏独特の世界を作り上げている。

 特に、この春岡寺の石棺仏のゆったりと座す姿は気品があり、玉野の阿弥陀石棺仏とともに、播磨の石棺仏を代表する秀作である。ここでも、縄掛け突起はそのまま残しているが、山伏峠の石棺仏と同じく、全く気にならない。

 石仏の腰のあたりで2つに折れているが、石の重みでびくともしない。「腰折れ地蔵尊」と呼ばれて腰痛の人がお参りするという。

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小谷地蔵堂石棺仏 加西市北条町小谷
「康永4年(1345)」
アクセス
・中国自動車道加西ICより、西4.5km。北条羅漢寺(北条石仏)の北700m。
・JR加古川線、神戸電鉄粟生線「粟生」駅で、北条鉄道乗り換え、終点「北条町」下車。北へ約1.5km
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北条羅漢寺より、高速道下をくぐり、約500mほど行った北条町小谷の集落の地蔵堂に安置されている。
 
 高さ、169cm、幅110cmの家型石棺の蓋石の下面に、像高約60cmの阿弥陀如来座像と六地蔵を薄肉彫りする。光背は月輪を入れた羽状文様の舟形光背、蓮華座は八重式と立派な作りで、南北朝時代の石棺仏の秀作である。

 「□□四暦歳次乙酉八月」と左側に刻銘があり、干支から「康永4年(1345)」のものとわかる。寝小便に効能があるとして、「よばりこき地蔵」と呼ばれ、信仰されている。


 
 
大村石棺仏  加西市大村町  「康永元年(1342)」
アクセス
・中国自動車道加西ICより、南南西へ約6km。または、山陽自動車道加古川北ICより北へ約6km。
・JR加古川線、神戸電鉄粟生線「粟生」駅で、北条鉄道乗り換え、「播磨下里」下車。北へ徒歩約1.5km。
 北条鉄道「播磨下里」駅より、北へ約1.5km、神姫バス大村バス停の近くに、ダントバの石仏と呼ばれる2基の石棺仏がある。一基は高さ142cm、幅57cmの長方形の石棺材(組合せ式石棺の側石)に上品上生印の阿弥陀如来座像を薄肉彫りしたもので、康永元年(1342)の銘がある。像高は55cmで立派な蓮華座の上に座す。
 
 阿弥陀石棺仏の左側には雲文上蓮華座の上に乗る、菩薩像を高さ80cm、幅47cmの石棺材に彫った石棺仏がある。阿弥陀如来の脇侍の勢至菩薩であろう。(観音像という説もある。)

 2基は並んでコンクリートブロックでできた覆屋に安置されているため、風情に欠けるのが惜しい。
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阿弥陀如来

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勢至菩薩?

 
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1_b2.gif (1021 バイト)播磨石棺仏地図