嫁おどし肉付きの面

 
 嫁脅し肉付きの面の説話は蓮如聖人に関わる話として、富山県の吉崎御坊などに残っている。吉崎御坊の後身の願慶寺(真宗大谷派)と吉崎寺(真宗本願寺派)の両寺院に寺宝として肉付きの面と嫁脅し肉付きの面の説話を描いた掛け軸などがあり、住職の講話などで嫁脅し肉付きの面の話を聞くことができる。
 
 「毎夜吉崎へ蓮如の説法を聞きに行く嫁をよく思わない姑が、ある時、般若の面を被って寺から戻る嫁を脅したのであるが、その面が顔に付いてしまい取れなくなってしまう。己の邪心を悔いた姑は、吉崎に赴いて蓮如の前で懺悔、そして改心を確かめた蓮如が南無阿弥陀仏を唱えると面が取れたという。」