大蛇済度

 
 親鸞の大蛇済度の話は二十四輩第5番の弘徳寺(茨城県八千代町)を始めとして、茨城県下妻市の光明寺、栃木県の蓮華寺などの浄土真宗の寺院などに伝わっている。弘徳寺には寺宝として大蛇の頭骨が、光明寺には大蛇が女の姿になって紫雲に乗って去って行ったときの蓮華の花弁「黒蓮華(いきれんげ)」がある。福井県には蓮如の大蛇済度の話も残されている。
 
 大蛇に姿が変わってしまい、人を食い殺してきた女が、聖人の力によって往生していく様は、浄土真宗の信者を中心に悪人正機・女人往生功徳として広がり現代まで伝わってきたものである。