大阪豊能町の石仏 |
大阪府の北部、北摂山地にある豊能町は、石仏の里として知られている。町の南西部の能勢電鉄沿線は大規模な住宅開発がおこなわれ大きなニュータウンが造成された。そのニュータウンと妙見山をはさんだ東側の町役場がある余野川流域は静かな山里で、コスモス園などがあり、のんびりハイキングするには適したところである。 その山里には多くの石仏が祀られている。特に目立つのは阿弥陀仏を主仏として、その下部に多数の僧形座像を彫った桃山時代の多尊石仏である。僧形座像は合掌像で、造立者を表していて、後生の安楽往生を祈ってつくられた逆修仏である。 中世の石仏も多く、鎌倉末期の年号の刻銘を持つ大円釈迦堂の阿弥陀三尊笠塔婆や法性寺地蔵石仏、南北朝時代の作の大円小松阿弥陀三尊磨崖仏や川尻打越阿弥陀三尊などが知られている。 また、曹洞宗の禅宗寺院には平成14年につくられた十五羅漢の石仏がある。暖かみのある魅力的な石仏である。 |
INDEX |
参照文献
『豊能町の石の文化財』 | 豊能町教育委員会 | 平成8年改訂 | |
『関西石仏めぐり』 | 清水俊明 | 平成9年 | 創元社 |
『大阪の石仏』 | 清水俊明 | 昭和53年 | 創元社 |