四国の庚申塔1 |
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徳島県は全国屈指の庚申塔の密集地帯で、県下におよそ三千基はあるという。明暦二(1656)年に藩命により庚申祭祈の指示があり、造塔が促進された。その多くが青面金剛像で、頂上に笠を持ち、破風に上り藤などの模様を刻むのが特徴である。 徳島県の庚申塔の秀作が、徳島県から香川県に抜ける国道318号線の道の駅「どなり」の手前の小さな集落「見阪」に祀られている。大きな鶏の彫られた台石の上に、三猿と2匹の邪鬼の顔を踏む、六臂の青面金剛像を半肉彫りした庚申塔で、左手には大きなショケラを持ち、破風には月日を刻む。「元次(治)元年(1864)甲子三月吉日」「見坂講中」と左右に銘がある。徳島県では他には例を見ない精巧な作である。 香川県の庚申塔は東部に多く、徳島県の影響によるものと思われる。数は徳島県に比べて少ないが、自由奔放な表現で、秀作が多い。特に知られているのが、丸亀市の土器川庚申塔と、このページで取り上げた槇川庚申塔である。 槇川庚申塔は結願寺の大窪寺に向かう途中の長尾町多和の槇川分校の道を隔てた手前下にある。力強い立体的な表現の六臂の青面金剛像で、岩山で遊ぶ三猿や踏まれながら目を光らせている邪鬼が印象的である。後ろから見ると男根を表していて、現在でも深い信仰を集めている。「槇川庚申、文化九(1812)年甲丑十月吉日」の銘がある。 多和には他に、多和小学校の近くの善光寺阿弥陀三尊石仏の隣や、多和兼割の墓地などに庚申塔がある。 |
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見坂庚申塔 |
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槇川庚申塔 |
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参照文献 |
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