頭塔西面如来三尊像

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 西面の第一段の中央には、南北東面と同じく上方に花蓋と飛雲宝珠を配した大型の如来三尊像の浮き彫り像がある。説法印を結び、半跏像の脇持菩薩を従えた阿弥陀三尊像で、東面の多宝如来三尊とともに保存状態も良く、優れた彫刻美を誇る石仏である。

 二重円相の光背を負い、説法印を結び、左足を前に組んて千蓮華上に坐す中尊像は当麻曼荼羅の阿弥陀像と特徴を同じくする。半跏像の脇持を従えた説法印の阿弥陀三尊像としては奈良市法蓮町にある興福院(こんぶいん)の木心乾漆造像が知られていて、頭塔石仏と同じ8世紀後半の作である。