喜光寺地天石仏

 石仏が集められた基壇の向かって右側の上段にある石仏である。

 船型を造り、宝髻・宝冠姿の立像を厚肉彫りした像である。一見、観音菩薩などの菩薩像に見えるが、頭光背が火焔光背であることや、花を飾った籠か鉢のような物を左手に持つことから、伊舎那天と同じ十二天の一つの地天と思われる。

 地天はバラモン教の女神プリティヴィーであったが、後に仏教に取り入れら、男性化して表されることになる。地持菩薩とも呼ばれ、菩薩として扱われる場合もある。この像は菩薩のような端整な顔立ちで、喜光寺の石仏の中でも印象に残る像である。