柳本墓地地蔵石仏 永徳3年(1383) 南北朝時代後期 |
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・奈良県天理市柳本町583 | ||
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長岳寺の南にある柳本墓地には角張った顔、細い目、低い鼻、小さな口の個性的な表情の地蔵石仏がある。墓地入口付近に東向きに立っていて、高さ143pの不整形石の正面に船型の深い彫り窪みをつくり、宝珠と錫杖を持つ地蔵を半肉彫りしたもので、他のこの時代の地蔵石仏と違った迫力があり、魅力的である。永徳三年(1383)の紀年銘がある。 長岳寺の北に山裾に「大工僧善教」の刻銘のある永和四(1378)年の弥勒石龕仏がある。この像は顔の表情や衣紋表現などは柳本地蔵石仏とよく似ている。従って、柳本地蔵石仏も善教の作と考えられる。柳本町には他にも、同じ頃の紀年銘の持つ同様の作風の石仏が見られる。 |
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