長岳寺地蔵笠塔婆 元享2(1322)年 鎌倉後期 |
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・奈良県天理市柳本町508 | ||
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山の辺の道に残る長岳寺は天長元年(824)淳和天皇の勅願により弘法大師が大和神社の神宮寺として創建したと伝えられる古刹である。現在でも、運慶・快慶などの慶派の仏像の先駆けと言える本尊の阿弥陀三尊像(藤原時代)など多くの文化財を有している。鎌倉時代の石造文化財も多くあり、境内の東の弥勒丘に立つ弥勒石棺仏はこの地方を代表する石仏である。 本堂前野東隅に立つ笠塔婆は、高さ153p、幅約30pの柱状で、上面に船型の彫り窪みをつくり、像高45pの地蔵菩薩を半肉彫りしたものである。地蔵菩薩の下には2体の比丘像が薄肉彫りしている。力強さはないが端正な表現の地蔵菩薩である。「元享二(1322)年」の紀年銘がある。 |
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