矢田寺地蔵石仏 室町時代 |
||
・奈良県大和郡山市矢田町3549 | ||
|
||
矢田寺はあじさい寺としても知られていで、あじさいのシーズンには多くの参拝者で賑わう。あじさい園の入口付近にある「味噌なめ地蔵」は矢田寺では最も知られている地蔵石仏で、あじさいの花に囲まれた姿は印象的である。 「味噌なめ地蔵」と呼ばれるのは、自家製の味噌の味が悪くなり、困って近在の農婦が、「味噌を食べさせてくれたら、良い味にしてやろう」と夢で石の地蔵のお告げを受け、矢田寺に行き、夢に立たれたお地蔵様を見つけ、味噌をその口許にぬったところ、家の味噌は味がおいしくなっていたという話による。 高さ210p、横1mの長方形の石材の表面に等身大の矢田型地蔵を半肉彫りしたのである。納衣の衣紋等は刻まれておらず、未完成の石仏のように見える。光背面に多数の施主名が刻まれているが、年号は見当たらない。引き締まった優しい顔をしていて室町初期をくだらない時期の作と思える。(寺の説明板には鎌倉時代となっている。) |
||