洞の地蔵石仏 建長6(1254)年 鎌倉時代 |
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・奈良市春日野町 | ||
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若草山の南麓の春日山遊歩道の入口ゲートの少し手前の山麓の小高いところに、仏頭石と倒れたままのこの地蔵石仏がある。仏頭石は六角石柱に阿弥陀如来と思われる仏頭を丸彫りし、柱の各面に観音を刻んだ石仏で室町時代の作である。 地蔵石仏は、高さ110pの板状の安山岩自然石の表面に、蓮華座に立ち、二重円光を負い、右手に錫杖、左手に宝珠を持った像高75pの地蔵菩薩を薄肉彫りしたものである。摩滅が少なく引き締まった顔やのびやかな衣紋表現が鮮明に残っている。鎌倉中期の建長6(254)年の紀年銘が残る。 |
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