信貴畑勧請の地 地蔵石仏          鎌倉時代後期
・奈良県生駒郡信貴畑     北緯34度37分10秒、東経135度40分59秒       
アクセス ・ 近鉄生駒線「平群」駅より平群町コミュニティバス西山間ルート(土日運休)乗車。「信貴畑待合所」下車すぐ。

・ 自動車 第2阪奈道路「壱分」ランプを降りて国道168号線を南へ5q「三里」交差点を左折、西へ600m、図書館前の交差点を左折、県道250号線を南西へ2.2q
  
・ 信貴畑の東の勧請地覆堂があり、天文21(1552)年の刻銘がある十三仏板碑とともに、与願印を示す鎌倉後期の座像の地蔵石仏が祀られている。

 高さ95p、幅51pの船型光背の表面に右手を下げて与願印を示す像高60pの地蔵菩薩座像を厚肉彫りしたもので、目鼻の摩滅は進んでいるが、肉付けや納衣がしっかりと表現され、姿も整った地蔵石仏である。鎌倉後期から南北朝時代の作と考えられる。頭光を浮き彫りにする。

 平群町教育委員会発行の「奈良県生駒郡平群町石造文化財 平群谷」や横に設置した案内板では船形如来座像となっているが螺髪らしきものは見当たらず、手首の取れた左手も下に垂らしていることから、右手を与願印で、左手で宝珠を持った古式の地蔵菩薩と考えるのが妥当と思える。(清水俊明著「奈良県史7 石造美術 」では地蔵石仏となっている。)

 横の十三仏板碑には「為地蔵講人衆逆修施主白水□」の刻銘があることなどから、この地蔵は地蔵講の主尊として祀られていたのではないだろうか。