信貴山石龕仏残欠 正平8(1353)年 | ||
・奈良県生駒郡平群町信貴山 北緯34度36分31秒、東経135度40分16秒 | ||
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・ 朝護孫子寺は、奈良県生駒郡の信貴山にある信貴山真言宗総本山の寺で、本尊は毘沙門天。 聖徳太子の創建と伝えられ、太子が寅の年、寅の日、寅の刻に毘沙門天王が出現されることで御加護を受け、物部守屋を討伐したことに始まる。そのため、張り子の虎が至る所に置かれている。「信貴山の毘沙門さん」、「信貴山寺」などと呼ばれ、”商売繁盛”、”必勝祈願”、”金運招福”、”合格祈願”など庶民信仰の場として広く親しまれ、参拝者が絶えない。「如意融通宝生尊(融通さん)」を祀る成福院や金運を始めとした幸運を呼びこむ「銭亀善神」を祀る銭亀堂で知られた千手院、宿坊として知られた玉蔵院などの塔頭がある。 この石仏は絵馬堂付近から開山堂へ登る階段の入口の小さな丘の上にある。高さ82p、幅61pの一枚板の中央上部に船型を彫りその中に像高16pの小さな阿弥陀座像を半肉彫りしたもので、側面に南北朝時代の信貴山の石仏では最も古い正平8(1353)年の造立銘がある。本堂の毘沙門堂を背景に立つ姿は播磨の石棺仏を思わせる。しかし、石棺材を使ったものではなく、正面左右に柱状を刻み、ほぞ穴を設けていて、もとは側石がはめられ、笠石が乗っていた石龕仏の奥壁が残ったものである。 |
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