叶堂馬頭観音石仏         大正7(1918)年
・奈良県生駒郡平群町三里      北緯34度37分50秒 東経135度42分39秒    
・アクセス 近鉄生駒線「へぐり」駅より東0.8q。徒歩10分。
自動車  第二阪奈道「壱分ランプ」から南へ5.4q。
             
・ 平群駅の東750m、矢田丘陵の麓の集落が三里である。三里の名は岩井・安明寺・中ノ宮の3村に由来し、安明寺はこの地にあった寺の名前でもある。安明寺は聖徳太子の建立とも伝えられ、興福寺の末寺として栄えた寺院で、昭和51年まで叶堂と称されるお堂と本尊の千手観音が残っていた(本尊の千手観音は民家風の建物に安置されている。)。しかし、昭和51年、火事で叶堂は消失して、礎石と石段・石造物が残るのみである。

 石造物としては観音石仏などの石仏や宝篋印塔・石灯籠がある。馬頭観音もその一つである。高さ42p、幅23pの方形の石材の下部を残して蓮華座にして、その上に三面八臂の馬頭観音を半肉彫りしたもので、頭部に馬頭をつける。胸前で二手を合掌して、明王馬口印を結び、他の手で宝剣・宝棒・宝輪・羂索・斧などを持つ。顔は憤怒相とは言いがたい穏やかな顔をしている。大正七(1918)年六月十二日の建立年月日銘と奉納者名を側面に刻む。