喜光寺伊舎那天石仏

 石仏が集められた基壇のほぼ中央の前列にある天部像である。船型光背を背負い、右手に三鈷戟(さんこげき)を持ち、左手で杯を肩まで上げて持つ立像の厚肉彫りである。杯は血を入れた髑髏杯と思われる。

 髑髏の首飾りなどは見られないが十二天の一体、伊舎那天(いしゃなてん)像と思われる。伊舎那天は大自在天(シバ神)の憤怒相と考えられ、仏教では東北方向の守護神とされる。