豊前の磨崖仏・瑞巌寺磨崖仏tizu.gif (2477 バイト)

 

  大分県は、豊後と豊前から成り立っていが、大分県の磨崖仏のほとんどは豊後の国に集中している。しかし、豊前にも、数は少ないが磨崖仏の秀作がある。豊前国宇佐郡の楢本磨崖仏・下市磨崖仏など薄肉彫りの磨崖仏、豊前国の求菩提山の麓の岩屋(福岡県豊前市)の飛天の浮き彫り像などが、それである。
 また、このページでは豊後の国であるが、他の磨崖仏から離れた地にある瑞巌寺磨崖仏も紹介する。

 



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下市磨崖仏    宇佐市安心院(あじむ)町下市

 
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矜羯羅童子

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薬師如来

 
 室町初期  像高 不動明王座像(159cm)・薬師如来立像(155cm)など

 安心院町役場の北西、安心院大橋の近くの三女神社の西側の小丘陵の東と南の崖に10体ほどの仏像を彫られている。東崖には岩壁の亀裂を巧みに生かして、天部形像(多聞天?)・観音座像・阿弥陀如来座像・薬師如来立像・不動明王座像・矜羯羅童子の各像を薄肉彫りする。岸壁が南側へ曲がりこむ角には、阿弥陀如来座像2体が彫られ、南崖の上部には薄肉彫りの阿弥陀如来像が彫り出されている。
 この磨崖仏の西側は、「下市百穴」と呼ばれる横穴古墳群になっている。また、この磨崖仏の南西は、スッポンの養殖場て゛、現在、安心院町はスッポンのと葡萄の産地として知られている。

アクセス
・ JR日豊線「なかつ」駅より「安心院」行きバスで「安心院役場前」下車。徒歩8分。
・ 自動車  宇佐別府道「安心院」ICから安心院町役場前。北西500m。

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下市磨崖仏(東壁)


楢本磨崖仏 (県史跡)  宇佐市安心院町楢本 

室町時代 像高 上段 不動明王座像(約2m) ・仁王(195cm・230cm)・薬師立像(126cm)など
           下段 十二神将(70cm〜95cm)・不動明王(103cm)など

 山中の杉林の中の安山岩層に数十体に及ぶ多くの磨崖仏が上下二段に、薄肉彫りされている。まず、目にはいるのは上段の不動明王で、顔は大きく誇張された表現になっていて、やや荒っぽい。その他、上段には薬師三尊・釈迦三尊・多聞天・仁王などの像が彫られている。
 下段は、1m前後の薄肉彫り像や半肉彫りの像が数多く彫られている。十王・地蔵・阿弥陀三尊・不動・多聞天・十二神将などである。阿弥陀如来座像と比丘形座像を刻んだ磨崖宝塔もある。
不動明王横に「応永35年(1428)」の銘があるので室町時代の作であることがわかるが、作風から見て、すべて同じ時期につくられたとは考えにくい。下段の諸像の方が整っていて、気品がある。これらの像は、上段の大作よりやや古い時期の作ではないだろうか。

アクセス
・ JR日豊線「なかつ」駅より「安心院」行きバスで「安心院役場前」へ。「安心院役場前」より「東椎谷」行きバス、「楢本」下車、徒歩20分。
・ 自動車  宇佐別府道「安心院」ICから安心院町役場前へ。安心院町役場前から国道500号線を南へ約5km。楢本バス停付近を東へ約1.5km。
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不動明王
十二神将

十二神将

不動明王

宝塔
(阿弥陀
 比丘形像)

 

鈴熊寺涅槃石    福岡県築上郡吉富町鈴熊


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江戸時代(天保年間)   高さ250cm 幅380cm
 福岡県の瀬戸内海側も豊前である。吉富町は山国川下流の町で、大分県中津市と接する。その吉富町の中央部の丘陵上に鈴熊寺がある。その丘陵の巨大な花崗岩の露岩に涅槃仏と五百羅漢を薄肉彫りする。寺伝によれば、鈴熊寺中興の祖、牛道法師が彫ったという。
 写真を撮った時は夕刻で、ストロポも持っていなかったので、あまりよい写真ではないが、釈迦涅槃像の磨崖仏は珍しいので、ここに載せた。
 
 
アクセス
・ JR日豊線「よしとみ」駅下車。西へ約1km。
・ 自動車  国道10号線、新吉富村大野瀬より北へ約2km。

 

岩屋洞飛天像    福岡県豊前市岩屋

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時代不詳(平安時代?)  体長約1m

 英彦山とともに修験道の山として知られる求菩提山の山腹の岩洞穴の天井に彫られている。ごく薄い肉付けだか、技巧は優れ、衣の流れも美しい。顔と手は黄白色、衣は朱、雲は青白色に塗られている(着色は近年の補修か)。他に、洞穴の内には薬師堂(御堂)と層塔と近世の妙見菩薩などの石仏がある。
 
アクセス
・ JR日豊線「うのしま」駅より「求菩提山登山口」行きバスで「岩屋」下車、徒歩すぐ。
・ 自動車  国道10号線、豊前市千束より、県道甘木・豊前線を南西へ約10km。


瑞巌寺磨崖仏 (県史跡) 大分県玖珠郡九重町大字松本

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不動明王座像

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矜羯羅童子

室町時代 像高  不動明王座像(226cm)セイタカ童子(162cm)
 高さ約2.6m、幅約7mの龕が彫られ、その壁面に、不動三尊と左端に増長天・右端に多聞天を厚肉彫りする。中尊の不動明王は2mを越え、厚肉彫りとしては大きく迫力がある。セイタカ・矜羯羅の両童子は背をかがめた姿勢で不動明王に向かって合掌する。矜羯羅童子のあどけない表情が印象的である。
 
小石窟の磨崖仏
 
上記の磨崖仏から20m程離れたところに、小さな石窟があり、不動三尊や地蔵菩薩・多聞天・十王座像などの小像を薄肉彫りする。彩色が残り、地蔵の光背の周縁には十王像を墨書きする。江戸時代の素朴な作品で、民芸品のような味わいがある。

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不動三尊
地蔵立像

アクセス
・ JR久大線「えら」駅下車、徒歩北へ1.5km。
・ 自動車  大分自動車道「玖珠」より、県道書曲・野田線を南へ3.5km、県道下恵良・九重線へ入りすぐ。


国東半島の磨崖仏1 国東半島の磨崖仏2

1_b2.gif (1021 バイト)国東・豊前の石仏地図



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