大念寺十三仏板碑        天文24(1555)年
・奈良県天理市苣原町     北緯34度35分9秒、東経135度53分43秒             
アクセス 近鉄天理線、JR桜井線「天理」駅下車。苣原経由「国道針」または苣原経由「針インター」行きバス乗車「苣原」下車(一日数便)。

自動車  名阪国道「福住」ICを降りて、国道25号線を南へ約4q。
                      
  
・ 大念寺は天理市の山間部にある融通念仏宗の寺院で、本堂の南側にひときわ目を引く立派な十三仏板碑が立っている。高さ198p、上幅52p下幅47pで、頂上を山型に造る。

 奈良県で最も大きな十三仏板碑で、立派な天蓋を刻み、その下に虚空蔵菩薩、さらにその下に三列四段で12尊を半肉彫りする。各像とも蓮華座に坐す。像高は約20p前後で虚空蔵菩薩はやや大きめに造られている。各像とも穏やかな面相で、蓮華座や持物など丁寧な彫りの秀作である。下部の刻銘は右端に「天文廿二二年乙卯」、真ん中に結縁者名、左に「二月十五日」と刻む。室町時代後期の天文24(1555)年の作である。

 天文年間は生駒谷・平群谷の十三仏碑が多数造られた時期であること、大念寺と同じ融通念仏宗の寺院は十三仏板碑のある石福寺・興融寺をはじめとして生駒谷・平群谷には多いこと、など生駒谷・平群谷との共通点が見られる。